発達障害(ADHD)で困りがちな、ついつい繰り返す「先延ばし」の行動習慣を改善しよう ①
✎ 皆さんはこういった経験はありませんか?
・ 面倒な仕事をついつい先延ばしにしていまう。
・ 書類の整理を後回しにして溜まってしまう。
・ 仕事でわからないことがあっても、上司に話しかけられず、先延ばししてしまう。
・ 寝る前や朝のスマホがやめられない。
・ 家事よりも趣味を優先して寝るのが遅くなり、翌日に響いてしまう。
✎ ついついやってしまうのは何故?
わかっているのに、なぜ繰り返してしまうのでしょうか。
例えば、仕事を先延ばししてしまう原因は何でしょう。
・ 単純な事務処理作業は面倒だから
・ あの業務は億劫と感じてしまうから
・ 上司に相談して嫌な顔をされたくないから
などでしょうか。
でも、原因がわかってもなかなか変えられないですよね。
✎ 短期的な結果を考えよう
ここで大切なのは、原因だけでなく「結果」に目をむけることです。
結果には「長期的」なものと「短期的」なものがあり、ついついやってしまう行動のメカニズムには、必ず「短期的なメリット」が隠されています。
例えば、仕事を先伸ばしする短期的な結果はどうでしょう。
・ 今、嫌なことをせずに済むので楽になる
・ 自分の好きな仕事ができる
・ 上司に相談しなくても良いので気が楽になる
などでしょうか。
✎ 長期的な結果を考えよう
しかし、長期的な結果を考えるとどうでしょうか。
・ 仕事が遅れて、周囲からの評価が下がる
・ 業務が溜まって終わらなくなる
・ 仕事ができないと落ち込んで憂うつになる
・ 後々上司に「まだ終わっていないのか」「なぜ相談しなかった」などと指摘される
といったデメリットが生じる可能性がありますね。
つまり、短期的にはメリットはあるのですが、長期的にはデメリットのほうが大きいとわかります。
✎ ADHDは特に短期的メリットに注目しやすい
上記のパターンは、誰しもがよく当てはまりがちなのですが、特にADHD傾向をお持ちの方は「報酬系機能」という脳機能の働きに特徴があり、短期的な報酬(すぐに得られるメリット)に目が向きやすく、長期的な報酬(後々得られるより大きなメリット)を待ちきれない傾向があります。
つまり、より顕著に先延ばし傾向が生じやすいといえます。
また、短期的に快楽を得られるゲームの課金や、衝動買い、ギャンブル、衝動的な言動なども、こういった報酬系機能が関連しているといわれています。
✎ みなさんはどうでしたか
まずは、ご自身にこのようなお困りごとや特徴がないか、普段の生活やお仕事などを振り返ってみましょう。
当院の就労支援デイケアでは、こういったお悩みなどもご一緒に相談していくことができます。
是非、お気軽にご連絡ください。
次回、これらの対処法について、続きを掲載いたします!