チック症とは

チック症とは、本人の意思とは関係なく、突発的かつ反復的に体の動き(運動チック)や音声(音声チック)を発する神経疾患の一種です。
症状の現れ方には個人差があり、一時的なものから慢性的なものまでさまざまです。
特に、小児期に発症することが多く、成長とともに軽減する場合もあれば、大人になっても続く場合もあります。
チック症の中でも、運動チックと音声チックの両方が1年以上続く場合は「トゥレット症候群」と診断されることがあります。
周囲からの誤解を受けやすい疾患であり、本人の負担を減らすためにも適切な理解と支援が重要です。
チック症の原因
チック症の原因は完全には解明されていませんが、遺伝的要因や神経伝達物質の異常が関与していると考えられています。
特に、ドーパミンやセロトニンといった脳内の神経伝達物質のバランスが崩れることで症状が出る可能性が指摘されています。
また、ストレスや環境要因もチック症の発症や悪化に影響を与えることが知られています。
家庭や学校などの環境が過度なプレッシャーを伴う場合、症状が悪化することがあります。
- 遺伝的要因(家族内にチック症の既往がある場合、発症リスクが高まる)
- 神経伝達物質の異常(ドーパミンやセロトニンのバランスの乱れ)
- ストレスや環境要因(学校生活や家庭環境の影響)
チック症の症状
チック症の症状は、大きく「運動チック」と「音声チック」に分けられます。
運動チックは顔や手足の動きとして現れ、音声チックは発声や咳払いなどとして現れます。
チックの特徴は、本人が無意識のうちに行ってしまうことが多く、一時的に抑えられてもまた出現する点です。
症状は疲労やストレスによって悪化しやすく、特に学校や人前での緊張する場面で目立つことがあります。
一方で、集中しているときやリラックスしているときには症状が軽減することもあります。
運動チック(体の動き)
- まばたきが頻繁に起こる
- 顔をしかめる、口をすぼめる
- 首を振る、肩をすくめる
- 腕や脚を素早く動かす
音声チック(発声の異常)
- 咳払いを繰り返す
- 鼻を鳴らす、舌打ちをする
- 特定の単語やフレーズを繰り返す
- 汚言症(不適切な言葉を発することがあるが、全ての患者に見られるわけではない)
チック症の治療法
チック症の治療は、症状の程度や日常生活への影響によって異なります。
軽度の場合、特に治療を行わなくても成長とともに自然に軽減することがあります。
しかし、症状が強く社会生活に支障をきたしている場合は、行動療法や薬物療法が検討されます。
行動療法では、チックの抑制や代替行動の学習を通じて症状の軽減を目指します。
薬物療法では、ドーパミンの調整を行う薬が用いられることが多いです。
環境調整・ストレス管理
- チック症に対する周囲の理解を深める
- ストレスを軽減する環境作り(無理のない学校・職場環境)
- リラックスできる時間を確保する
行動療法
- 習慣逆転法(チックが出たときに代替行動を行う)
- 認知行動療法(ストレス管理やチックの予兆を学ぶ)
薬物療法(必要に応じて)
- 抗ドーパミン薬(チックを抑えるため)
- 抗不安薬(ストレスによる悪化を防ぐため)
- 睡眠改善薬(夜間のチックがある場合)